おはようございます!
昨日、Twitterで太陽光発電廃棄費用積立てについて以下のようなことを呟きました。
太陽光発電所の廃棄費用の外部積立義務化が決まったようですね!
低圧発電所は売電収入から源泉徴収方式のようです。助かったと思ったのは売電開始から11年目以降に積立てが開始されること。
その頃ならキャッシュも貯まってる頃なので対応しやすいですね!— ちりつもダンク@太陽光×不動産×ブログ (@chiritsumodunk) February 27, 2020
皆さまこの件についてかなり関心が高いようでして、
ちりつもダンクにしてはそこそこのいいねをいただきました。
こちらのリソースを添付しておりませんでしたので、経産省ホームページURLを添付!
「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました(経産省ホームページより)
こちらのページに以下のような項目がありまして、そちらが閣議決定になったということです。
(2) 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ特措法) の一部改正
③再生可能エネルギー発電設備の適切な廃棄
太陽光発電が適切に廃棄されない懸念に対応するため、発電事業者に対し、廃棄のための費用に関する外部積立て義務を課します。
廃棄費用積立ての概要
今回の廃棄費用の積立てについては以下のような整理がなされています。
②方 式:源泉徴収的な外部積立 ※例外的に内部積立を許可
(長期安定発電の責任・能力、確実な資金確保)
③金 額:調達価格の算定において想定してきている廃棄等費用の水準
④時 期:調達期間の終了前10年間
⑤取戻し条件:廃棄処理が確実に見込まれる資料の提出
①対 象:10kW以上すべての太陽光発電の認定案件(10kW未満は対象外)
以下のように10kW以上の太陽光発電所は基本的に全て対象になるようですね。
・過去に認定を受けている太陽光発電もさかのぼって対象になる
・稼働済みの太陽光発電も対象になる
・住宅など建物屋根に設置した太陽光発電も10kW以上なら対象になる
・余剰売電を選択していても10kW以上なら対象になる
・ソーラーシェアリングも10kW以上なら対象になる
②方 式:源泉徴収的な外部積立 ※例外的に内部積立を許可
(長期安定発電の責任・能力、確実な資金確保)
積立ては基本的に源泉徴収的に外部積立てになるようです。
外部積立て機関はこれから決まっていくようですね。
積立の開始時期になったら、毎月の売上額から積立額を天引きする形が有力のようです。
③金 額:調達価格の算定において想定してきている廃棄等費用の水準
積立金額の総額は、売電価格(買取価格)と太陽光発電の設置規模(kW)によって決まります。
廃棄費用(円)=既定の廃棄費用単価(円)/kW×設置容量(kW)
発電設備の廃棄等費用の確保に関するワーキンググループ‐中間整理より抜粋
上図を見ると、廃棄費用の単価は売電価格が高いと高くなることが分かります。
つまり、積立金額は、年度毎に想定された廃棄費用の水準となっています。
また、毎月の積立額は、月ごとの売電量に応じて決まる方針で整理されており、
一定額が引き落とされるのではありません。
発電家からすると発電不良の月にキャッシュフローが赤字になりかねないので、
そういった配慮であると考えられます。
④時 期:調達期間の終了前10年間
外部積立の開始時期は、売電開始から10年経過したタイミングです。
(一律で終了前10年間の積み立て)
なお、制度の開始時期は2022年7月までには開始されるようです。
売電開始直後は消費税還付も受けてないですし、キャッシュフローも貯まっていないので、
売電開始から10年経過したタイミングで積立て開始になるのは多少の救いではあると思います。
⑤取戻し条件:廃棄処理が確実に見込まれる資料の提出
廃棄費用の積立金は、原則売電期間中に取り戻すことができません。
20年後積立金を取り戻すために、廃棄処理が確実に見込まれる資料の提出が必要とされています。
具体的にどのような資料が必要かはこれからの整理事項のようです。
FIT終了後発電事業を継続する場合は、
一部設備の交換、廃棄となったタイミングで条件付きで取戻しが認められるようです。
条件とは、太陽光パネルの割合や量が一定値を超える場合のみといったようなことのようですが、
こちらもこれからの整理事項のようです。
ちりつもダンクはFIT終了後も発電事業を続けるつもりでいるので、
設備更新のタイミングでこの積立てを取る崩すことになりかなと想像しています。
パワコンとかが同時に壊れることとかは考えにくいですが、
20年以上の事業継続を考えるならば交換必須の設備なので、
パワコン1台単位でも取り崩せるような制度にしてもらいたいと思いますね。
まとめ
発電家の皆さんが気にしている廃棄費用の積立てですが、
もう避けることができないことだと思います。
これから太陽光発電事業を検討される方は
事業計画の段階で廃棄費用の積立てを予めシミュレーションし、
単年及び20年間累計のキャッシュフローが自分の投資基準を満たしているかどうかを
吟味する必要があると思います。
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