不動産はミドルリスク・ミドルリターンの投資先として高い人気があります。
近年はスルガ銀行や西武信用金庫の不正融資問題などで一時期に比べると活気は失ってますが、今も昔もレバレッジを効かせた副収入の代表格です。
不動産投資のメリット・デメリットを理解した上で検討を進めていきたいものです。
メリット① 不労所得に近い安定収入
不動産投資は入居者からの家賃収入で成り立つので、自分自身が労働していなくても収入が入ってきます。
病気、怪我、介護などの理由で働かなくなっても収入を確保することができます。
また、他の投資に比べると比較的労力をかけずに運営することができます。
購入時は安く仕入れるために右往左往することが必要ですが、購入後特に満室中にすることは通帳に家賃が振り込まれていることを確認するくらいです。
入居者の募集や入居者からのトラブル、クレーム対応、家賃の集金は賃貸管理会社に依頼をすれば手はかかりません。
これは本業を持つサラリーマンなどにとっては大きなメリットとなるでしょう。
メリット② 年金の代用
将来の年金は常に国民の不安を駆り立てます。
最近では、金融庁が2019年6月に発表した「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」で老後2,000万円が足りなくなるといった報告が行われたことが話題となりましたし、公的年金の受給開始年齢はジワジワと引き上げられており、受給額の目減りが明らかです。
また、ゆとりある老後に必要な生活費が35万円必要(生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」より)なのに対して、高齢の無職夫婦世帯の1ヶ月の平均収入は21万円(総務省「平成29年度 家計調査年報 高齢夫婦無職世帯」)という至極現実的なデータがあります。
分かりきっている未来の収入不足に対して、計画的に対応することが大事ですが、不動産投資は長期的な運用ができますので年金対策として有効です。
メリット③ 生命保険の代用
投資用ローンは住宅ローンと同様に団体信用生命保険に加入するケースが多いため、万が一のことがあった場合でも遺族にローンのないアパート・マンションを残すことができます。
一般的な生命保険がお金を支払って万が一の保障を得るのに対し、不動産投資の場合家賃収入を得ながら万が一の保障を作ることができるのが大きな違いです。
メリット④ レバレッジを効かせられる
不動産投資以外の場合、投資をやろうとしても自分の手持ちのお金を使う必要がありますが、不動産投資の場合はアパートローンといった銀行等からの融資を活用することが可能です。
事前にしっかりと調査を行うことが必要ですが、ある程度の収益予測を立てることができます。
想定家賃収入から管理委託費、固定資産税、火災保険、地震保険、電気代、水道代、ローン利息といった諸経費を引くことで月々の収支をある程度見積もることができるのです。
それを元に投資として成立するかどうかを判断することになります。
メリット⑤ 節税効果
不動産所得がマイナスになった場合、給与所得などの他の所得と相殺する損益通算を行うことができます。
不動産投資としてみると、費用として減価償却費を計上するので、キャッシュフローは黒字のまま帳簿上では赤字になることがあり、結果的に節税となることがあります。
ただ、節税になるということは不動産賃貸業自体が赤字になっているということなので、多額の諸費用が発生する初年度を除き、2年目以降においてその後も不動産投資を拡大しようとしている場合は銀行等からの評価はマイナスに働くことは注意が必要です。
メリット⑥ インフレリスクヘッジ
インフレとはモノの価値が上がり相対的にお金の価値が下がることですが、現金ではなく不動産に変えておくことで物価価格とともに不動産の価格も上昇するため価値が目減りしないというメリットがあります。
また、デフレの影響も受けにくいので安定した有形資産として価値があります。
デメリット① 多額の初期費用が必要
自分が住むための不動産を購入する際に必要な自己資金の目安は、一般的には物件価格の1割程度といわれますが、2019年現在において投資用不動産の場合、2〜3割を求められるケースが少なくありません。
区分マンションや戸建てでも数百万、アパートやマンションとなれば数千万、数億以上になり銀行等からの借入金は大規模になります。そのうちの2〜3割ですから相当な額になります。
デメリット② 空室リスク
空室を完全にゼロにすることはできませんが、なるべく空室率を低く保つことは不動産投資として非常に重要なことです。
空室になってしまった場合は、収入がなくなってしまいますが、ローン返済は待ったなし、管理費や修繕積立金、固定資産税などは変わらず発生します。
家賃収入が諸費用などを下回った場合は新しい入居者がみつかるまでは 自分の財産を切り崩さなければなりません。
財産形成のために始めた不動産投資が財産を削るものとなってしまっては本末転倒です。
デメリット③ ランニングコストがかかる
購入してから物件の運営・維持のためにある程度のお金が必要になります。
具体的には修繕積立金(来たる大規模修繕に備え予め積み立てておくべき資金)と管理委託費、固定資産税、都市計画税、電気代、水道代、ローン利息といった諸経費です。
デメリット④ 流動性リスク
不動産投資は巨額の投資を月々の家賃収入で回収していく投資なので、すぐに収益が上がるわけではありません。
また、物件を売却する場合、不動産会社を通じて市場で買い手がつくまで待たなければならず、ある程度の時間と費用がかかります。
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