フェイク!
さて、今日はTwitterでも呟きましたが、
案件の年間発電量の計算はNEDOの参照地点も含めて確認しようという話です。
太陽光発電の案件を取り寄せると業者のシミュレーションの元になっているNEDOの日射量を参照する地点が間違っている(偽っている⁈)案件をちらほら見かけます。
地点間の中間にある場合、意図的により発電量の多い地点のデータを使っていると思われます。
シミュレーションは自己検証しましょう!
— ちりつもダンク@太陽光×不動産×ブログ (@chiritsumodunk) June 13, 2020
分譲案件の資料を取り寄せた際、業者シミュレーションが盛ってないか要チェックである
という点は他のブロガーさんたちも警鐘を鳴らしていたところですが、
先日、ちりつもダンクが取り寄せた案件では、
年間発電量算出に必要なNEDOデータベースの日射量を表す地点が不適切なものが散見されました。
これは単純に間違いだけかもしれませんが、案件の利回りは発電量から逆算されている案件も
少なからずあるので、業者から提出されたシミュレーションは参考とする程度とし、
必ず再度自己シミュレーションを行うべき内容です。
今回、ちりつもダンクは確認した案件はNEDOデータベースに存在する地点と地点の間あたりに
位置する案件でして、どちらの日射量を参考として計算するかなと考えていた時に、
日射量の高い地点のもので計算されていました。
どんな状況かと言うと、例を出した方が分かりやすいのでちょっとした絵を用意しました。
以下の灰色の矢印あたりにFIT18円、パワコン49.5kW、パネル100kW(角度20°,方位0°)の
案件があったとします。
この時、NEDO日射量データベースで参照すべき地点はどこでしょうか?
皆さんがよく使うNEDOデータベースのMONSOLA-11のマップでは
距離的には静岡や南部が近そうです(その他の地点も近いですが簡便のため2点のみ参照)。
では、NEDOデータベースでの日射量はというと、
山梨県の南部は角度20°、方位0°で3.66
静岡県の静岡は角度20°、方位0°で4.22
となっており、その差0.56と日射量に約15%の差があります。
ここで販売側としては、より高値で売れた方が良いので、
静岡の日射量を使用してシミュレーション数値を出したとします。
ここでは、簡便のため損失係数を20として計算すると、
年間発電量は
4.22 × 100 × 365 ×(1-0.2)=123,224kWh
となりますが、実際はそんなに発電することはないでしょう。
逆に南部で計算すると
3.66 × 100 × 365 ×(1-0.2)=106,872kWh
となりますが、ここまで低く見積もる必要はなさそうです。
では、足して2で割ればいいのか?といった検討もできますが、はっきりしません。
そんな時は、NEDOデータベースの日射量マップも参照してください。
すると、先ほど矢印で示した地点は14の等圧線(?)上にあるような立地であることが分かります。
静岡は15.5付近で過大評価、南部は13.5付近で過小評価となり、大きな差となります。
ということで、同じ14の等圧線(?)付近の日射量を持つ、
静岡県富士(1つ前に図に地点を書いています)
を参照するとより精度が高いシミュレーションができると言えます。
静岡県の富士は角度20°、方位0°で3.82ですので、
3.82 × 100 × 365 ×(1-0.2)=111,544kWh
と算出できます。
では、この案件が静岡の日射量を元に表面利回り10%の案件として販売されていたとすると、
123,244 × 18 × 1.1 ÷ 0.1 = 24,402,312 ≒ 約2440万円
となります。でも実際は、111,544kWh程度の発電量であると予想されますので、
111,544 × 18 × 1.1 ÷ 24,400,000 = 0.0905 ≒ 約9%
ということで、
何と表面利回り10%の案件と思いきや、実は表面利回り9%の案件だった( ;∀;)
ということになります。。。
ちなみに、上記の例の場合、年間売電収入ベースの差は何と約23万円(税込)です((+_+))
20年間だと約460万円の損失に相当します。
利回り1%の違いは半端ないですから、
業者シミュレーションはあくまで参考として、
必ずゼロベースで自己シミュレーションすべきです。
業者のシミュレーションは但し書きに
参考値であり発電量を保証するものではありませんとしっかり書いてあります。
その発電量は設置個所の最寄りのNEDOのデータベースの日射量を元に算出された参考値です。
そして、その値を信じるか信じないかは一重に購入者に委ねられています。
自己シミュレーションをした結果、業者のシミュレーション値の方が発電量が低ければ、
自分の損失係数の設定が甘い可能性はあれど、業者への信頼に繋がりますよね(^^)
これまで、シミュレーションをしてきましたが、自分のシミュレーションより
発電量が低いシミュレーションを業者からもらったパターンの方が圧倒的に少ないです。
なお、ちりつもダンクが取り寄せた案件は例に挙げた場所とは異なるものの、
先ほどの計算と同様に日射量マップを参考に検討したところ、
発電量に約8%もの差異が出ました(先ほどの例は約9%の差異があります)。
実に恐ろしい差で、フルローンで購入計画をしたいた場合だと収支計画が破綻するレベルです。
経済的自由を目指して太陽光発電所を購入したのに、
逆に自分の首を絞める案件になってしまったなんて最悪ですよね。。。
まあ、フルローンの場合、全額金融機関のお金で買っていますが、イカンものはイカンです!
ということで、太陽光発電の案件を取り寄せると業者のシミュレーションにおいて
NEDOの日射量を参照する地点が不適切な案件がたまにあるので、
必ずゼロベースで自己シミュレーションするようにしましょう!
という当たり前的なお話でした!
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