【太陽光発電】発電所のアレイ間の最低限必要な離隔距離を算出してみる!

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セパレーション!

ちりつもダンクです。

今日は、太陽光発電所のアレイ間の離隔について、

業者からもらったパネル配置図を元に最適な角度を検討するという話です。

2020年10月連系予定の太陽光発電所を元に計算してみたいと思います。

太陽光発電所のアレイ間の適切な離隔を考える必要性

離隔距離

まず、離隔距離とは、上の図のように左側アレイの終端と右側アレイ始端間のことです。

NEDOの日射量のデータベースを見ると分かるのですが、

基本的に日本国内であればアレイの傾斜角度はざっくり30°前後が日射量が高くなります。

【主要地点の最適傾斜角】

地点 最適角
北海道 札幌 34.8度
宮城県 仙台 34.5度
東京都 八王子 33.0度
愛知県 名古屋 32.5度
大阪府 大阪 29.2度
愛媛県 松山 28.5度
鹿児島県 鹿児島 27.7度
沖縄県 那覇 17.6度

そのため、パネルレイアウトを考える上では30°前後で設計していきたいところのなのですが、

一方で、アレイの傾斜角度が大きくなるにつれて、離隔距離が大きくなるため、

より広い設置面積が必要になります。

広大な土地があるのであれば、気にする必要はないのですが、土地の広さが限られている場合は、

どのくらいの容量のパネルがどのような傾斜角度で敷き詰められるのかを検討することは

発電量に直結するため検討しておく必要があります。

 

太陽光発電所のアレイ間の離隔距離を算出してみる

それでは、具体的にアレイ間の離隔距離はどのように決めていくかですが、

ここは、本家本元のNEDOが発表している「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン

からモジュールレイアウトの考え方に頼りましょう!

1. 年間最大発電量を得るための最適設置レイアウトは、架台の方位と傾斜角度が重要と
なり、特に地上設置型ではアレイ配列が複数となるため、アレイ間の離隔距離の確保
が必要となる。
2. 離隔距離の検討は、設置場所の緯度によって太陽高度と日陰距離が異なるが、年間で
最も日陰の長い、冬至の 9 時、15 時の日陰長さから推定することが目安となる。
3. 最終的なモジュールレイアウトは、風圧荷重や積雪荷重を考慮したモジュール強度に
対する傾斜角の検討に加え、面積制約と離隔距離、基礎など、諸条件を検討して決め
る必要があり、数種類のレイアウトを図面化し、コストを含めた検討を行うのが一般
的である。

 

以上のことから、

太陽光発電所のアレイ間の離隔距離は冬至の9時、15時における太陽の高

を元に検討することが妥当であることが分かります。

NEDO 産業用太陽光発電ガイドラインのデータによりますと、とある障害物があった場合、

その高さを1とすると、

図中の各地点における影の長さは札幌を除いて2前後になるというデータがあります。

これを元に離隔を検討します。

ちりつもダンクの発電所は鹿児島県に建設予定なので、上の表だと宮崎の値を使うのが妥当です。

絵は直筆のものを使わせてください(笑)

この発電所は平坦な土地に設置するため、アレイの始端の高さを基準に考えていきます。

アレイの長さをL、アレイの傾斜角度をθとすると、離隔距離dは

d=2.13Lsinθ

となります。

※2.13としたのはより影になりにくい数値を採用したいため

このLの長さは採用するパネルの規格やパネルレイアウトにより変わってきます。

 

以下は、ちりつもダンクの鹿児島県に建設予定の発電所のパネルレイアウトです。

パネルレイアウト

上図のように現行の計画では、1650mm×100mmのパネルで

4枚×20枚のアレイが2列、4枚×25枚のアレイが2列、傾斜角度10°となる

レイアウトで敷設することになっています(ちなみに方位角度は南西15°)。

すると、先ほどの式のL=4.016m、θ=10となりますので、

d=1.485(m)

と算出することができます。

これは冬至の太陽の位置をベースに計算した最低限必要な離隔距離を算出したと言えるので、

日の出から日の入りまで影無しで!という設計思想で考える場合はもっと離隔が必要です。

 

ちなみに、明日はここで調べたデータを基に防草シートの必要量を精査してみたいと思います。
【太陽光発電】パネル配置図を基に防草シートの必要量を精査してみる!

太陽光発電所のアレイ間の離隔距離から最大限の傾斜角度を探る

さて、アレイ間の離隔距離算出の考え方は前述したとおりです。

ちりつもダンクがこの発電所について、アレイ間の離隔距離を算出して検討したかったものは

傾斜角度を10°ではなく、15°、理想は20°で施工できないかという点です。

NEDOの日射量データーベースを元にした傾斜角度及び方位別の日射量は以下のとおりです。

                 α(方位)
    0        15    22.5      30
   θ
(傾斜)
 10    3.84      3.84   3.82(※)    3.81
 15    3.90(※)    3.89(※)   3.87(※)    3.85(※)
 20    3.95    3.93   3.91(※)    3.89

(※)はNEDOのデータベースにはないため、推定値

 

現在の発電所のレイアウトは、傾斜角度10°、方位角度15°なので、日射量は3.84です。

これを傾斜角度を20°まで引き上げられれば、発電量は2.3%増加、15°であれば、1.3%増加です。

また、この土地は方位角度南西22.5°に最も広がっていますので、

パネル設置の方位角度を22.5°なら設置できるとなった場合、

発電量は0.8~1.8%の増加が見込めます。

 

この傾斜角度増加ができるか否かは正確には土地の測量をしてみないと分かりませんが、

レイアウト図を見る限り、少なくとも方位角度を22.5°にすれば、

傾斜角度15°は可能じゃないかと妄想しています。

今度、販売会社の設計担当者とともに現地確認をする予定ですので、

そのあたりを相談したいところです。

無論、設計担当者はベストな設計提案をしてきているはずなので、

失礼のないように注意しないといけませんね。

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コメント

  1. k より:

    鹿児島でこの過積載率であれば、真南、角度10度、これのが発電すると思われます、ザッとみましたが、真南でいけます(⌒▽⌒)

    離隔は1250程度でも良いかなと

    南西へふるなら余計に角度10度が良いでしょう

    • 貴重な情報ありがとうございます!
      まだまだ勉強不足ですね!
      kさんのアドバイスは
      過積載率が高いとピークカットが大量発生する分、日射量を大きくすることよりも、朝からいち早く発電する仕様を優先すべきと解釈しました。
      kさんの過去記事に方位はなるべく真南か若干南東にふった方が良いという言葉があったことを思い出しました。
      現場を見ながら、方位を真南にふれそうか設計担当者と相談してみたいと思います!

  2. yuki2822 より:

    鹿児島、、桜島の火山灰の影響
    場所に拠り加味する必要あるかと思いますがいかがでしょうか。
    ⇒あまり角度低いと火山灰落ちない?
     そもそも角度に拠らず落ちない?

    そのあたりは、実際に近隣の発電所の状況を見たり、
    近隣に発電所持っているヒトに
    インタビュー出来ると良いのですが、、

    ⇒近隣の発電所の看板見れば、連絡先がわかります
     鹿児島県の天気予報で、桜島の噴煙方向出ています

    • 桜島の火山灰はどの程度影響するかは分からないですが、考慮する必要はありますね。
      場所は鹿児島県北部なので、火山灰は飛んでこないと思っていたのですが、
      実は飛散距離はかなりのもののようなので。。。
      近隣の方あるいは施工会社も鹿児島県の会社なので設置角度と降灰の具合はヒアリングしておきたいと思います。

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